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グロゼイユと夫婦

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友達が誕生日に「ボンゴ」という2泊のホテル券(in London)をもらって、その連れに昔6年間ロンドンに住んでいたことのある私を選んでくれたので、ふたりでロンドン旅行に行ってきました。と言ってもわたしには「誕生日プレゼントとして楽しい旅行」を企画する責任があったので、彼女の好きなもの、好きなことを取り入れつつ、なんだかんだ言っても女同士、音楽家同士の、きちきちしない日程の旅にしました。

日程を決定したのは、ノーリントン指揮のブラームス一番の演奏会を、夏中やっているプロムスで聴ける、ということでしたが、席を予約しようとしたら、座る席はあっというまに完売になり、結局二日目は「夕方5時過ぎにロイヤル・アルバート・ホールに行き並んで立ち見席をゲットする」ことがメインイベントに。

番号札を無事にもらって安心して、テイクアウェイの食べ物を買いに走っている間に、なぜか第一弾のチケット売りが来てしまい、荷物番で並んでいた友人だけしかチケットを買えず(本人だけしかダメだった!と。)、わたしはまた並び直し、友人とばらばらになってしまったり、それでも並んでいる周りの英国人とそれぞれしゃべったりして、満員の演奏会を楽しみました。演奏も素晴らしかったのですが、アンコールのあとにマイクを取ったコンサートマスターが、実はこれがシュツットガルトラジオ交響楽団の最後の演奏会で、解散になるのですということをアナウンスして、会場騒然、舞台の上の演奏家たちも聴衆も涙、涙、そして大拍手で、さらに感動だったのでした。

ただ、出発する前にひとつ気になっていたのは、庭のグロゼイユが熟れ熟れの真っ赤で、収穫どきを迎えていたことです。
はやく摘んで絞って漉して煮て瓶詰めにしなければだめになってしまうのではないか。昨年はふた瓶ぐらいの収穫だったのが、今年は大量だから、どんなにたくさんできるかな、でも去年みたいに茶漉し(!)で漉すのは無理そう、どうやってやればいいのかな、手間が大変そうだな!と思っていたのでした。



そして、旅から帰ってきたら。



グロゼイユのジュレが、たくさんの瓶詰めになって、台所にならんでいたのです!



久しぶりにこんなにびっくりした!

これは、「大草原の小さな家」の本の中で、盲目のお姉さんを大学に入れるために両親も一緒に旅行に行っている間、留守番しているローラと幼いふたりの妹たちが春の大掃除をして、帰ってきたお母さんが「腰が抜けるほどびっくりした」のとちょっと似ています。



グロゼイユのジュレを作ることは家族には相談していなかったし、
夫がグロゼイユ・ジュレが好きなので、いっぱいつくって驚かせたいな!となんとなく思っていたし。



それに庭の木の実はわたしの管轄で、剪定したり肥料をやったりして見守っていたのはわたしだけだったはず。



夫が言うには、



「ももよいないし、(だからつまらないし?)、グロゼイユいっぱいあるなーと思ったから、
台所用品店に布を買いに行ったら、
ただの布なのに高価でひるんだけど、
必要だし買ってきた。

(それは麻だからなのだよ。ただの布にあらず)

それから指で房を手折りながら収穫していったけど、

台所に運んで実をひとつひとつはずすのが大変だったし、

枝も痛むような気がして、

(剪定ばさみ使えば?)

バラの茂みの巣から3羽のクロウタ鳥のひなたちが頭を突き出して見守る中、

(また生まれたのかい!)

茂みにしゃがみこんで、房は枝についたまま、指でしごいてどんどん実をはずして収穫した。

それが、



「なんて楽しいんだ〜〜〜!」



というぐらい楽しくて。そのあと新しい濾し布で絞って、買ってきておいた無農薬ザラメ砂糖と一緒に煮て、いっぱい瓶に詰めたんだよ!」と。





夫は、頼めば家事はなんでもやってくれます。

でも頼まなければ家事をしないでもちゃんと生活できてしまう人です。

(家がどんなに片付いていなくてもちゃんと音楽生活をつづけられるようだ)



その人が、必要度の恐ろしく低い、初めてのグロゼイユのジュレ作りという家事を、収穫からやってしまったということに、わたしは本当に本当にびっくりしたのでした。




ロンドンに行ってよかった、と思いました。




友達とも、ずっと喋っていたのは、夫のこと、家族のこと。
新しくこの友人とほかの2人と昨年に始めたFiliaeというグループの計画とかも話そうね、と言っていたのに、
結局話したのは大事なこと家族のことばっかり。。。


そんなわたしたちの気持ちが、赤い瓶詰めになって現れたかのような気がしたぐらいでした。


結婚21年目に入り、あと29年一緒に暮らしたいね、と夫とは言い合いつつも、なんとなく「だけどどうやったら今までよりさらに長い年月を一緒に暮らしていくのか」という、だれた気分にもなっている自分たち。


間に猫を置いて、かわいがってみたり、

間に娘を置いて、一緒に悩んでみたり、

果物を収穫して一緒に味わったり。。。


そんなことができる夏休みがあってよかったな、と思った、7月の終わりでした。



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ロンドン…
は、変わっていませんでした。
紅茶は美味しく、美術館は無料で、キャブ・タクシーは素晴らしく、
プロムスではみんな地べたに座り込んでいて、
コーヒーが劇的に美味しくなく、パスタと野菜は少しだけ茹ですぎだった。
タクシーの運転手さんは
「ブリクシットね、ありゃまずかったね!
でもね、うちの政治家さんたちは
『みんなが懸念してるのとはちがうブリクシット』
をやるつもりだから、大丈夫だから。」
と言った。
やっぱり英国はヨーロッパ民主政治の原点なんだと確信したわたし(表立って決めたこととは違う方法でつじつまつけちゃう方式)。
生粋のベルギー人である友人は、
「だからダメなんだよ」
と切り捨てていたけれど…
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