Advent Calender :Day17

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朝8時半から10時まで、週3回オルガンの練習を
自宅の近所の教会で予約していて、
10時半からの教会の行事(お葬式や結婚式など)にかからず
練習を終えられるように、朝いちばんの8時のミサが終るのを
見計らって教会へ行きます。

家からは、歩いて5分。
道を下って行くだけなので簡単なことですが、
1時間半、暖房のない石の教会でも冷えないように、
しっかり防寒して行くための服を着込むのが、
かなり面倒で、

ヒートテック下着のようなものの上に
コットンの長袖Tシャツに、
ウールのベストにフリースのタートルネック。
下もヒートテックのズボンに
コーデュロイのズボンの2重履き。
最後にコットンの靴下+ウールの靴下+フリースの靴下の3枚履き、
そして私の普段サイズよりワンサイズ上のアンクルブーツ。

着る時間は普通の2倍かかります。
さらに、この「部品」がひとつ足りないと、
探したりして5分位すぐに経ってしまうので、
朝練の衣類は同じものを「制服」としてセットにして、
洗うときも全部いっぺんに洗い、
乾かしてアイロン掛けてたたんで、
そのままひとつの山にして
前夜に洗面所に出しておきます。

夫がまだ起きない日は電気をつけられず、
これだけの枚数を暗い中で着るのは
不可能だから。

それから階下に降りてネコにえさをやって、
自分も朝ご飯に抹茶とフルーツとトーストを食べて、
暖かいコーヒーは豆を曳いてドリップし、
小さな魔法瓶に入れ、
譜面とオルガン靴と家鍵だけ持って、
指なし手袋をして家から出ると、

「ああきょうも練習できる〜!」

という喜びに満たされます。

考えたら私にとって一番大事な仕事はこれなのだから、
朝練は会社に出勤するのと同じ重要度。

ひとりで静かな朝の中オルガンを練習していると、
例えば今朝は何十年弾いているかというぐらいぼろぼろの
メシアンの「La Nativité」最終曲「神われらと共にいます」を
さらい直したのですが、毎年新しい発見があります。

夜練習すると頭がじゅうぶんに目覚めているからか、割合に
「ルーティン」な感じで身体が思い出す練習なのですが、
朝は、かなりぼーっとしている状態からの練習なので、
妙にひとつひとつの音形が目新しく聴こえる。

耳が目新しい

て変ですけれどね…

「耳新しい」のですね。

そしてその「耳新しさ」が、ちゃんと意識できると、
演奏の時にそこのところを表現できます。

無意識なことは、表現する場では
「何も言ってないのと同じ」効果しかなく、
「こういうことを言いたいです」
ということを、いろいろ音がある中で、
それぞれみんなちがった形で意識的に抽出するので、
演奏というものは各自違ってくる訳ですが、
一年に一回弾くか弾かないかの作品に於いては
取り出すたびに、個人でも毎年変化するということが
顕著にわかります。

そのことを意識し、「言い方」を改めて記憶するのに、
(弾く時「こーなって、あーなって」というのを、
タッチ、テンポ、音色で憶える。
それを本番で再現する、のが演奏だということもできる)
朝の練習は良いです。

夜遅いことも多い仕事で、
朝寝坊していても誰にも文句を言われない職業なのに、
朝からひとりできりきり舞いしながら
厚着を着込んで朝ご飯を急いで食べていると
ある種の可笑し味があるというか、

ひとりでなにをやっているんだ的なものはありますが、

「そうだ、朝練は私の大事な秘密、隠し事なんだ」

そう思った日から、自分を笑わないようになりました。

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今日の一枚…
Outhere
LPH002
Johann Sebastian Bach
Motteten
Collegium Vocale Gent
Philippe Herreweghe
言わずと知れた、バッハの6つのモテット。
故人を偲ぶ目的で書かれた曲が大半なのですが、信仰の力という、一体何の力なのか、目に見えないためよくわからない力が持っている超越的な力について、バッハが一生懸命述べている論文のようなものです。この、無伴奏の合唱作品は超絶的にオルガン伴奏するのが難しいです。無伴奏なので、声部をオルガンがなぞる形で伴奏するという複雑な(?それとも究極的にシンプルな?)演奏形態を取ります。たった一人の10本の指で、全ての声部を追うのは物理的にも不可能なため、このCDでは第1コロ(合唱団その1)は弦が、第2コロは管が、コンティニュオはチェロ、コントラバス、ポジティフ・オルガンが伴奏(歌パートをなぞり、補佐する)するという、「耳新しい」音色の色彩豊かさ。
きょうの録音は、昨日亡くなられた、日本聖公会の賛美歌をたくさん残したある教会音楽家の鎮魂のために聴きます。


お花が…
防寒の話を書きましたが、ベルギーも暖冬で、夏しか咲かないはずの薔薇が、壁の陽当たりの良いところで一輪また咲いていました。植木鉢の球根も、芽が出て来ちゃいました。このまま咲く準備に入ってしまって、大丈夫なのでしょうか?
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