歌のうしろには(3)

歌のうしろには(1)

歌のうしろには(2)

の続きです。



きょうは、まとめになります。




ドレミファソラシドを階段に見立てて1、3、5が和音ですよ…


というのは、実はバロック音楽の「通奏低音」の時代に使われた考え方で、
譜面のヘ音記号の音符の上に数字がついているのがそれです。

たとえば…

(マラン・マレのヴィオラ・ダ・ガンバ曲集第4巻(1717)、3台ガンバのための第2組曲9曲目「ミュゼット」通奏低音パートより)


写真


譜面の最初の小節を見てみて下さい。
ヘ音記号のあとに、b(フラット)があります。
これは実は五線のシの音のところに書いてあります。
だから、譜面の中のシの音は全部b(フラット)を付けて弾くという指示です。

その次に大きく数字で3と書いてあるのは拍子記号で、ここでは「4分の3拍子」という意味です。

そのあとに、数字が、(左から、ここでは数字は下から読むと)3、247x、3、と書いてあります。

その意味は。


ソの音を付点2分音符で左手が弾く間。
右手では三つの和音を弾くという表示です。


最初の和音は3と書いてあります。これは、1、3、5、の和音を右手で弾きましょう〜という意味です。

(一番ありふれた135の和音は、なんにも書いてない状態が実はデフォルト。
左手の上になにも数字がなかったら、とにかくまず135の和音を弾きます。
はっきりさせたい場合、3とか5とか、書きます。
135といちいち書いていたら譜面が真っ黒になって却って読みにくいから。)

左手がソなので、そこから始まる階段の135、ということで、音はソ、シb、レになります。
ソシbレのコードならどういう形でも良いから右手で弾きます(シbレソとかレシbソとか、その3つの音が含まれていればなんでもよい)。



では、質問です。

次の和音は247x。

いいですね。簡単すぎない和音、楽しいですね。
x(ばってん)がついてたら、キスマークかなっ。と思う人は、英語圏の人と文通してた人ですね(文通なんてまだあるのか…)。

xは、#(シャープ)の意味です。
でも、もし、もともとの音がシb(シのフラット)で、そこにxがついたとしたら、シャープのように半音上げて、結果シ(ナチュラル)になるので、x=#というわけではないです。
xは、半音上げる、これであっていると思います。

19世紀以降の記譜法では、xはダブルシャープ(シャープを2回つけるから、ソならラになる)なので意味が違うのですが…。





さて、これは、左手のソの音から数えて、2、4、7#段目の階段の音を弾いてください。


ということなので、


ソからかぞえたら何の音になるでしょうか?


数えて下さいね2番目と4番目と7番目(プラス#)の音を…



いいですか?いきますよ?



答えは。



ラ、ド、ファ#




です。



正解の方、おめでとうございます!



これで、あなたも通奏低音が弾ける



音楽をやっていていいなと思うのは、譜面や数字は世界共通だからこれがわかればすぐに弾けちゃうことでしょうか。



音楽をやるのに、ぐだぐだ言っていて結局音を聴くところまで行かないのでは白けてしまいます。



というわけで、楽器を持っている人は、「やった、音当たった!」な〜んて喜んでいないで、さっそく楽器で音を出してみよう。



ソを弾いてから。
その上にソシbレの和音を順番に出してみる。



いいですね。
しみじみ、協和音ですね〜。


(ん?ハモってない?楽器の調律、した方がいいですかね?)


次に、


ソを弾いてから。


ラドファ#の和音を順番に下から弾いてみる。


おおお。


不協和音ですわ。


素敵ですねえ、フランス風ですねえ。



そして、もう一度、最初の和音を。

ソ、シb、レ。


協和音。



これで、みなさんは「音楽の秘密」を知った事になります。


協和音→不協和音→協和音。


このくりかえしで、音楽は、




できとります。




和音進行がわかると音楽の秘密は解き明かされたと言っても過言ではありません。

だからこそ「楽曲解析」という分野があるわけです。

しかし。




では、ハーモニーは、「神」なのか。




上のガンバ曲の例では、左手の音というものだけが「今ここにある譜面に書いてあった」場合なので、

メロディーは一体どうなっているのか、まったくわかりません。

昔、通奏低音奏者は、左手と数字を書いた紙しかもらえなかったので、
(指揮者とか、主催者以外は)

この楽譜の場合、ガンバの3人が何を弾いているのかはぜんぜんわからないのですが、

この通奏低音の数字の通り和音を弾けば、

「絶対にハモる」

ということは、保証されていたということ。

どんな音楽かは、一緒に弾いてから、練習してみてからのお楽しみ、ということです。


逆に言えば、その上には、違うメロディーを「はめる」ことだっていろいろに可能なわけです。



今日はフルートトラベルソの人もいるから〜、じゃあこんなメロディーも一緒にくっつけちゃおう〜



みたいな感じで、どんどん音楽をふくらませて行く事が可能です。



だから、


歌のうしろには(1)


の最初で述べたように「メロディーはハーモニーから生まれる」ということは確かだし、事実です。



でも、今日のまとめ、「歌のうしろには(3)」で書きたい事は、



じゃあ、ハーモニーはどこから生まれたんだ。



ということです。



人が歌うとき、和音を歌えますか。



歌えないですよね。



歌えたら腹話術です。



腹話術は歌だとは思わないので…



人が歌を歌って、それを譜面にしている以上。


(ネコではないし鳥でもなく)


最初に歌った人は、メロディーを歌ったのです。



メロディーは、鼻歌だったかもしれないし(ふんふんふん)、



喋りたい事を歌うように言ったのかもしれない(アイシテル〜)。



でも、声では和音は歌えないから、人がふたり、3人いて初めて和声というものが生まれる。



ということは、



ハーモニーは、メロディーから生まれる



のでもあるのです。




どっちなんだ!?




と思ったあなた。



どっちでもあるのです。



(すまん。)




この相互関係は、オルガニストが伴奏をするときに一番大切に考えなければいけないことです。


この歌は、もともとどのような和音から生まれたのか。という考え方と、
このメロディーはどのような和音をつければ一番メロディーが生きるのか。という考え方。


この両方からの視点をもって初めて、メロディーだけあたえられた場合の伴奏を決定することができます。

また、賛美歌のように、メロディーも伴奏も両方書き込んである譜面を与えられた時に、

・メロディーをすこし動かしても(=いじっても)ハーモニーが同じならもとの歌を想起できる音楽を弾くことができる
・ハーモニーをすこし動かしてもメロディーが同じなら(以下同文)



この2点を頭において、即興奏楽の講習会に臨みましょう。


この講習会は2月終わりの土曜日に四国の松山で行われますが、
その次の日曜日にはお昼のコンサートも企画されています。

日本キリスト教団松山教会にて、2015年2月22日(日)午後1時半からです。
入場無料なので、お近くの方はどうぞお気軽に聴きにいらしてくださいね!

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詳細はこちらをどうぞ。

Good Talent Organists Association


おつきあいありがとうございました〜〜!

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インフルから…
ようやく立ち直りました。
でもまだ昼寝をしないと持たないため、就寝&起床時間がぐちゃぐちゃに〜。
このまま日本時間で生活したらどうなるか…今週末から8時間の時空を飛び越えて、トーキョー時間だから、もうなんでもいいか。
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